佐藤 紀子【著】
A5判/上製/256頁
定価:本体3,200円+税
ISBN 978-4-902078-72-5
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フェルメールの描いた情景を、
私たちはどのように感じとっているのだろうか。
画家の信念と幾何学とを図学的な手法で結びつけ、
絵画の規範としての見えない秩序を
構図から読み解こうとする試論。
【目次】
はじめに
第 1 章 絵画と透視図法
立ち現れる仮象空間
1 透視図法と構図
2 視覚経験の可視化
3 仮想の建築
4 優れた技法書
5 絵画を分析する
第 2 章 フェルメールの絵画空間
日常をトリミングする
1 フェルメールの構図
2 近景に描く
3 奥行きを描く
4 距離の違いを描く
5 タイルの床を描く
第 3 章 カメラ・オブスクラの役割
《絵画芸術》をめぐって
1 カメラ・オブスクラの存在
2 インスピレーションの源
3 調和と黄金比
第 4 章 絵画の規範
共有の基盤
1 比例と平面幾何
2 《聖プラクセディス》の分析
3 フェルメールの贋作
結び
【著者紹介】
佐藤紀子 (さとう のりこ)
茨城県生まれ。1997年女子美術大学芸術学部絵画科日本画卒業。1999年東京藝術大学大学院美術研究科造形理論(図学)修士課程修了。2012年東京藝術大学大学院美術研究科美術専攻芸術学研究領域(美術教育)博士後期課程修了。博士(美術)。東京工科大学メディア学部助教を経て、現在、女子美術大学特任助教、東京藝術大学非常勤講師。日本図学会、美術教育研究会、日本バーチャルリアリティ学会、JIAS日本国際美術家協会会員。
著書に『造形の図学』(新装改訂版、共著、日本出版サービス、2014)、『美術と教育のあいだ』(共著、東京藝術大学出版会、2011)『遠近法と絵画 ―描く人、鑑賞する人のための―』(共著、美術出版社、2003)などがある。美術家としては第53回欧美国際公募スペイン美術賞展(コミージャス、2021)、第21回日本・フランス現代美術世界展(六本木、2020)、第33回パリ国際サロン2020(パリ、2020)などに出品。