＜第35回日本児童文学学会奨励賞＞

大正ロマンの時代、人びとの心をとらえた〈夢二式〉美人。
その表現と社会現象から流行の理由を探る。

目次

はじめに

Ⅰ　〈夢二式〉の時代

第一章　社会現象としての〈夢二式〉
　第一節　〈夢二式〉という言葉
　第二節　〈夢二式〉の身体
　第三節　ファッショングラビアとしての〈夢二式〉　

第二章　「美術趣味」の時代
　第一節　「美術趣味」の普及
　第二節　オリジナル雑誌の編集−−写し絵とスクラップブックと回覧雑誌
　第三節　収集されるイメージ−−近代における画家の美術環境
第三章　雑誌のビジュアル化と美術系投稿欄
　第一節　子ども雑誌のビジュアル化
　第二節　雑誌における美術系投稿欄
　第三節　『新少女』の竹久夢二選評

Ⅱ　〈夢二式〉に何を見たか

第四章　竹久夢二と少女たち
　第一節「少女」の誕生と〈夢二式〉　
　第二節　「ブロークンハート」と壊れた人形

第五章　インテリ青年たちの夢二受容
　第一節　青年たちが夢二に見たもの
　第二節　模写による夢二受容

第六章　夢二の描写
　第一節　夢二の描線
　第二節　鉛筆による新しい美術教育
　第三節　草画について

Ⅲ　〈夢二式〉のモチーフ

第七章　前衛と抒情−−「ひとつ眼」と悩める人形
　第一節　「ひとつ眼」のモチーフ
　第二節　夢二人形−−夢二式抒情の立体化

第八章　繰り返されるモチーフ−−スクラップブックと〈夢二式〉写真
　第一節　夢二のスクラップブックと制作手法
　第二節　夢二のための〈夢二式〉の写真　

おわりに−−「美術趣味」の時代、そして「感傷」の時代

あとがき　

竹久夢二年譜　
引用挿図・資料出典　
事項索引　
主要人名索引

著者

高橋律子（たかはしりつこ）
一九六九年生まれ
一九九五年　東京大学大学院教育学研究科修士課程修了
二〇〇七年　金沢美術工芸大学大学院博士課程修了、博士号（芸術）取得
二〇〇二年より金沢湯涌夢二館学芸員を経て、
現在、金沢21世紀美術館学芸員。美術史学会会員。

＊上記は刊行時のデータです。