長野五郎【著】
B5判上製/288頁
本体4800円+税
ISBN978-4-902078-25-1
2010年12月刊行
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本書は、美術から工芸までの広域を視野に据え、コンセプチャルなアプローチで作品制作をおこなうとともに、国内外でのフィールドワークにより「染」と「織」における手仕事の原初の姿のありようや、根源的な技術とそのシステムの研究を続けてきたアーティスト・長野五郎の1971年から2011年までの40年間の仕事の記録をまとめたものである。
CONTENTS
Ⅰ. Art Work 1971-2011
長野五郎の実践[木村秀樹]
作品図版/Plates
「視」の位相から ―長野五郎に寄せて―[林 剛]
Ⅱ. Fieldwork & Writings 1971-2007
クリナメンの布 ―長野五郎による草木布研究へのブリコラージュ的オマージュ[北澤憲昭]
[対談] フィールドワーク、文化の基層[辰巳正明+長野五郎]
靭皮繊維:それらの物質特性に対するその取り扱いや処置との関係について-アジアとヨーロッパの比較において-
カラハスティーKalahastiの手描き更紗
インド・中国及び他の地域における木綿や羊毛の綿打ち作業とその道具について
メキシコ南部少数民ツォツィルの上衣・下衣にほどこす織フェルト加工
Bast Fibers: Their Physical Properties Implications for Handling and Processing
Knot Motifs
Dyes and Dyeing Methods for Making Chintz as Still Produced in Kalahasti, India
Tools for Fluffing Cotton and Wool Fibers Used in India, China, and Other Eurasian Countries
Woven Felt Production for Upper and Lower Garments Worn by the Tzotziles Peoples in Southern Mexico
Ⅲ. 長野五郎 1971-2011
研究調査記録
著書・論文・口頭発表・講演一覧
展覧会歴
長野五郎(ながの ごろう)
1950年京都市に生まれる。1975年京都市立芸術大学芸術学部美術専攻科染織専攻修了。成安造形短期大学助教授を経て、大阪成蹊大学芸術学部教授。2011年3月大阪成蹊大学を退職。美術家、染織研究者。テキスタイルアート分野の国際展において数々の賞を受賞する。国際展、グループ展に多数出品。また、ギャラリー16(京都)、ベラクルス州立大学芸術研究所 (メキシコ)、M. X.スペース1010(スペイン)ほか国内外で個展を開催。研究者としては、 染織の世界を対象に、手が介在する生産形態と生産技術に限定し、「もの・道具・人間の関わり」をテーマに、国内外の各地でフィールドワーク、および研究をおこなう。その成果である論文を学会誌、 専門誌に発表。 著書に、 ひろいのぶことの共著『織物の原風景 ─樹皮と草皮の布と機─』(紫紅社、1999)がある。民族藝術学会会員。