上田高弘【編】
B5判/上製/130頁
定価:本体2500円+税
ISBN978-4-902078-53-4
2019年2月刊行
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東京家政大学で教授を務めた画家・酒匂讓(1930–2016)の画業をまとめた上田高弘(立命館大学教授)編集による初の画集。酒匂は70年代から没年まで、みゆき画廊における個展において一貫して抽象絵画を発表し続けた。本書には油彩作品を中心に、晩年に取組んだ水彩画やドローイングも多数収載。野見山暁治、入江観、佐治晴夫らもテキストを寄せている。
目 次
まえがき
サコーさん(野見山 暁治)
みゆき画廊と酒匂 讓(入江 観)
夢の世に かつ まどろみて夢をまた かたるも夢も それがまにまに(佐治 晴夫)
[作家論]酒匂譲小伝
──みゆき画廊と東京家政大学を楕円の二つの中心とした(上田 高弘)
Ⅰ 作品図版[油彩・水彩] アトリエに遺された作品
油彩/Oil Paintings
ハヤカワミステリ表紙挿画
酒匂 讓 個展案内状アーカイブ
水彩/Watercolor Paintings
朝日新聞「朝日 俳壇・歌壇」挿画
ドローイング/Drawings
Ⅱ 資 料
酒匂さんと個展(牛尾 京美)
教育者としての酒匂讓「研究室がサロンみたいだった」(教え子たちの証言)
酒匂讓 年譜
あとがき
酒匂 讓(さこう ゆずる)
1930年鹿児島県生まれ。1954年東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業、1956年同校専攻科修了。1967年東京家政大学・短期大学専任講師に就任。1970年東京家政大学助教授、1988年に同校教授となる。1973年パリにて個展。1976年から没年の2016年まで東京・銀座のみゆき画廊で毎年個展を開催する。
【編者】
上田 高弘(うえだ たかひろ)
1961年大阪府生まれ。東京造形大学美術学部美術学科I 類(絵画)中退、東京藝術大学美術学部芸術学専攻卒業、東京藝術大学大学院美術研究科芸術学専攻(博士課程)満期退学。東北芸術工科大学助教授を経て、現在 立命館大学文学部国際文化学域教授。著書に『モダニストの物言い──現代美術をめぐる確信と抵抗一九九〇ー二〇〇五』(美学出版、2006 年)、共訳書にグリーンバーグ『グリーンバーグ批評選集』(藤枝晃雄監訳、勁草書房、2005年)。
【執筆者】
野見山 暁治(のみやま ぎょうじ)
1920年福岡県生まれ。1943年東京美術学校(現・東京藝術大学)卒業。1952–64年まで渡仏。1958年第2回安井賞受賞。1968年東京藝術大学助教授、1972年同大学教授に就任。1978年『四百字のデッサン』で日本エッセイスト・クラブ賞受賞。1992年芸術選奨文部大臣賞受賞。1996年東京・練馬区立美術館、2003年東京国立近代美術館で「野見山暁治展」開催。2014年文化勲章受章。第二次世界大戦で戦没した画学生を慰霊する「無言館」の設立にも尽力した。
入江 観(いりえ かん)
1935年栃木県生まれ。1957年東京藝術大学美術学部芸術学科卒業。1962–64年渡仏、1956年第33回春陽会展初入選(以後、毎年出品)、春陽会会員。1971年第6回昭和会展で最優秀賞、1996年第14回宮本三郎記念賞受賞。1985年女子美術短期大学教授に就任、2000年女子美術大学名誉教授。日本美術家連盟理事・国際造形芸術連盟日本委員会委員長。2017年瑞宝双光章受賞。2000–06年女子美術大学付属高等学校・中学校校長。
佐治 晴夫(さじ はるお)
1935年東京都生まれ。理学博士。鈴鹿短期大学名誉教授・鈴鹿短期大学名誉学長。立教大学理学部物理学科卒、東京大学大学院物理学専攻。東京大学物性研究所、松下電器東京研究所、横浜国立大学での研究、NASA客員研究員、玉川大学教授、県立宮城大学教授などを経て、2004-2013年まで鈴鹿短期大学学長。著書に『宇宙の不思議』、『夢みる科学』、『からだは星からできている』、『14歳のための時間論』、『詩人のための宇宙授業』など多数。
牛尾 京美(うしお きょうみ)
1959年東京都生まれ。東京家政大学家政学部服飾美術学科美術専攻卒業。デザイン会社勤務を経て、1984年よりみゆき画廊に勤務、2003年の同画廊主ベイリィ加賀谷澄江氏逝去後は代表(2016年3月の閉廊まで)。2016年6月うしお画廊を開廊。著書に『ベイリィさんのみゆき画廊──銀座をみつめた50年』(みすず書房、2016年)がある。